――「何もない」と思っていたAさんが見つけた、“ちゃんと使える自分”。

目次
1. 「何もアピールできない…」Aさんが感じた絶望
転職を考え始めたとき、Aさん(20代後半・接客業)はこう言っていました。
「資格もないし、正社員歴も短い。転職できる自信なんて1ミリもないです」
学生時代は目立つタイプではなく、社会人になっても特別な成果を出したことはない。
履歴書の空白を見て、「やっぱり私は何も持ってないんだ」と、面接に進む前から心が折れてしまっていました。
でも──Aさんは、ある“視点の切り替え”によって、自分の中に眠っていた価値を見つけ出していきます。
2. スキルや実績がなくても、転職できる理由
実は、Aさんのように「自分には何もない」と感じている人は、想像以上に多いです。
でも、企業が見ているのは“資格”や“派手な成果”だけではありません。
次のような「土台となる力」に注目していることも、少なくないのです。
- 人と協力できるか(協調性・報連相)
- 与えられた仕事をコツコツ続けられるか(継続力・責任感)
- 新しい環境でも前向きに吸収できるか(柔軟性・成長意欲)
Aさんも、自己分析をしていくうちに「3年間、一度も遅刻せず働き続けたこと」「クレーム対応を任されるほど信頼されていたこと」など、“実はちゃんとやってきたこと”に気づきはじめたのです。
3. 自己分析がカギ|“ない”を“ある”に変える方法
Aさんが実際にやった自己分析のステップをご紹介します。
- これまでの仕事・アルバイト・学校生活を棚卸し
→どんな役割をしていた?人からどんな言葉をもらった? - 「大変だったこと」「うまくいったこと」を書き出す
→何が苦手で、何を工夫した?そこに“伸ばせる資質”がある - それを「転職先でどう活かせるか」に変換する
→たとえば「接客で鍛えた気配り」を「事務職での丁寧な対応」へつなげる
自己PRは、才能の話ではなく、「今までどう働いてきたか」の話。
Aさんもこのプロセスを通じて、「私、意外とちゃんとやってたんだな」と、自信を取り戻していきました。

4. 未経験OK求人の見極め方|“広く浅く”ではなく“絞って深く”
「スキルなし」「実績なし」で転職を目指す場合、求人の選び方がとても重要です。
Aさんがエージェントにアドバイスされたのは、
- 「未経験歓迎」「研修あり」「異業種からの転職者多数」などのキーワードをチェックすること
- 応募先の業界や職種を“3つくらい”に絞ること
- 1社1社にあわせた志望動機を作ること
特に「事務職」「コールセンター」「人材系企業の営業」「介護・福祉」「ITスクール付きのエンジニア求人」などは、育成前提での採用も多く、ポテンシャルを見てもらいやすい分野です。
Aさんも、書類を一気に大量に送るのではなく、じっくり1社ずつ向き合うやり方に変えたことで、書類通過率が上がり、最終的に内定にたどり着きました。
5. 転職は“自分の使い方”を学ぶチャンス
スキルがある人が転職に有利なのは確かです。
でも、スキルがなくても、「使われ方」がうまい人は、ちゃんと評価されます。
Aさんが転職後に言っていたのは、
「最初の面接で“やる気だけはあるんです”と伝えたら、逆に好印象だったみたいで。それがすごく救いになりました」という言葉でした。
“自分の価値は自分で決められない”
でも、“自分をどう伝えるか”は、自分で決められる。
この違いに気づけた時、Aさんはもう「何もない人」ではありませんでした。

最後に|「足りない」があっても、動ける人は強い
スキルがなくても、実績がなくても、転職できます。
そして、転職活動そのものが、「自分に何があるか」を見つけ直すプロセスでもあります。
最初の一歩は、「自信を持つ」ことじゃありません。
「一歩踏み出す」こと。それだけで、景色は変わり始めます。
あなたも、Aさんのように、自分の中の“小さな強み”を見つけて、次の場所へ向かってみませんか?