営業に向いてない…と思ったときの選択肢

1. 営業がつらいと感じたとき|「笑顔が出なくなった自分」に気づいた瞬間

Aさん(20代後半・女性)は、新卒で入社した大手メーカーの営業職。最初はやる気に満ちあふれていましたが、次第に「ノルマが重い」「断られるのが怖い」「笑顔を作るのがしんどい」と感じるように。

「ある日、商談中にお客様の話が全く頭に入ってこなかったんです。『あ、私、今この仕事から心が離れてる』って思いました」

営業職は、人と話すことが得意な人向けだと思われがち。でも実際は、交渉・数字のプレッシャー・感情のコントロールと、意外と“静かなストレス”が積もっていく仕事です。

Aさんは思い切って部署異動を希望し、社内の「マーケティング部」に異動。その決断が、彼女の働き方を大きく変えるきっかけになりました。


2. 営業に向いてない=ダメなこと?|そんなことは絶対にない

「営業向いてない」と思うのは、恥ずかしいことでも負けでもありません。実際、Bさん(30代前半・男性)は、5年間法人営業を続けた末に「もう限界」と感じ、退職しました。

「頑張れば頑張るほど、心がすり減っていく感じがあったんです。自分が“誰かを口説く”のが苦手だって、やっと認められた瞬間でした」

そんなBさんが選んだのは「カスタマーサポート」職。お客様からの問い合わせに対応する仕事です。営業とは違い、待ちの姿勢で“聞く力”が求められる職種。これが彼の性格にぴったりハマりました。

「誰かを説得するのではなく、“安心させる”ことが得意だったんだって、初めて気づいたんです」


3. キャリアチェンジのリアル|営業経験が“土台”になる仕事はたくさんある

Cさん(20代後半・女性)は、広告営業を辞めたあと、完全未経験で「人事」職に転職しました。きっかけは、同僚との何気ない雑談。

「Cさんって、なんでそんなに面倒見いいの?人事とか向いてそう」
——その言葉が、転職を考えるきっかけになったといいます。

人事の仕事では、面接での“場の空気を読む力”や“話しやすい雰囲気づくり”が求められます。営業経験で培ったコミュニケーションスキルが、別の形で活かされたのです。

「営業のときには“売るための会話”をしていた。でも今は、“人を理解する会話”をしている。その違いに、最初は戸惑ったけど、すごくやりがいを感じています」


4. 収入が下がる?転職後の現実は?

「営業を辞める=年収が下がる」そんな不安は、多くの人が抱えます。でも実際は、“どこに転職するか”で大きく変わります。

Dさん(30代後半・男性)は、インセンティブ込みで年収550万円の営業職から、「IT企業のカスタマーサクセス職」に転職しました。最初の年収は500万円と若干下がったものの、評価制度が明確で、1年後には元の年収を超えました。

「営業時代は“数字”でしか評価されなかった。でも今は、“チームで成果を上げる力”も評価対象。働きやすさも収入も、バランスが取れた感覚です」

収入は大切。でも、メンタルや生活リズムと両立できる環境があるなら、それは“長く働ける価値”として、十分意味があります。


5. 転職エージェントに相談したからこそ見えた“道”

「もう無理かも」と感じていたEさん(20代前半・女性)は、転職エージェントとの面談で初めて自分の気持ちを正直に話せたといいます。

「営業が苦しいって、会社の中では言えなかった。でも、第三者に話したらスーッと心が軽くなったんです」

エージェントから提案されたのは、「広報アシスタント」や「採用事務」「カスタマーサポート」など、“人と関わる”けれど“売らなくていい”職種たち。実際に応募した会社の面接では、営業経験が「粘り強さ」「対人スキル」として評価され、無事に内定を獲得。

「やっと、自分を責めないで働ける場所に出会えた気がします」


まとめ|営業が向いていなくても、働ける場所は必ずある

営業職を辞めることに、罪悪感を持つ必要はありません。

人にはそれぞれの“得意な働き方”があります。

営業経験が活きる転職先の例:

  • カスタマーサポート・カスタマーサクセス
  • 採用・人事・広報
  • マーケティングアシスタント
  • 事務職(営業事務・サポート職)
  • 教育・講師系(研修担当など)

「自分は向いていなかった」——それは敗北ではなく、“自分を知る”という大きな一歩。

あなたの経験は、次の場所で必ず花開きます。
自分に合った働き方を、これから一緒に探していきましょう。