20代で工場勤務→営業職へ転職した人の実例

― “安定”を飛び出して、未経験で飛び込んだ営業の世界 ―


「このまま定年まで、ずっと同じ毎日なのかな…」

夜勤明けの帰り道、Aさんはふとそんな思いにとらわれたそうです。
Aさんは当時26歳。地方の工場で、製造ラインを5年近く担当していました。
真面目に働いて、給料も手取りで20万円以上。ボーナスもあって、周囲から見れば“安定した職場”だったと思います。

でも、本人はモヤモヤしていました。
「この仕事、10年後もやってる自分を想像できない」
「もっと人と話す仕事がしたい」
そんな思いがじわじわと積もっていき、ついに転職を決意します。


最初にぶつかった「未経験の壁」

最初にAさんがぶつかったのは、「工場→営業」の経験ギャップでした。
営業職の求人は多いけれど、「人と話すのが好き」「体力には自信がある」だけじゃ、なかなか書類が通らない。

そこでAさんがやったのは、“話せる実績”の掘り起こしです。
たとえば、

  • 工場内での新人教育の経験
  • 業務改善を提案して採用された事例
  • チーム内のトラブル対応やシフト調整の経験

これらを**「対人スキル」「提案力」「調整能力」と言い換えて職務経歴書に落とし込む**ことで、初めて面接に進めるようになったそうです。

実際、「営業は初めてだけど、対人の経験が活きそう」と企業側に言ってもらえたとのこと。


面接で問われたのは「なぜ営業?」という一点

工場勤務から営業職への転職で、必ず聞かれるのがこの質問。

「なぜ営業職を目指そうと思ったのですか?」

Aさんはここで、「人と話すことが好きだから」とは答えませんでした。
代わりにこう伝えたそうです。

「これまではモノづくりの現場にいましたが、もっと“人の感情”や“言葉の影響”がダイレクトに返ってくる仕事がしたいと思いました。数字で結果が出るのも、自分にとってはモチベーションになります。」

結果、この答えが刺さって、3社目の面接で内定。
法人営業職として、晴れて新しいスタートを切ることができました。


転職してから「しんどかったこと」「嬉しかったこと」

もちろん、営業職に転職してすぐ順風満帆だったわけではありません。
最初の3ヶ月は、知らない業界用語のオンパレード。電話営業もガチガチに緊張。
「何言ってるのか分からん!」と怒られたこともあったそうです。

でも、ある日、自分が提案したサービスで初めて契約を取れた瞬間、心が震えたと言っていました。

「誰かに“ありがとう”って言われて、初めて“自分の仕事”になった気がした」

そう語ってくれたAさんは、今もその会社で営業として成長を続けています。


未経験でも、20代なら“伸び代”が一番の武器になる

Aさんのように、20代での工場勤務から営業職への転職は、正直言って簡単ではありません
でも、工場で培った「現場感覚」や「丁寧な仕事ぶり」、そして「チームで動いた経験」は、営業でも確実に武器になります。

特に20代のうちは、スキルよりも「吸収力」や「人柄」で評価されることが多い。
だからこそ、「やってみたい」という気持ちを“言語化”し、行動に移すことが何よりも大切です。


まとめ:環境を変える勇気が、新しいキャリアの始まりになる

「このままでいいのかな…」という気持ちを放置すると、気づけば1年、2年と時間が過ぎてしまいます。
でもAさんのように、“モヤモヤ”を“行動”に変えた人は、確実に前へ進める。

もし今、同じように悩んでいるなら――

「まずはどんな営業職があるのか調べてみる」
「職務経歴書を見直してみる」
その一歩から、あなたのキャリアは動き出します。


“安定”を飛び出すのは怖い。でも、そこには“可能性”が待っている。

あなたにもきっと、そんな未来が描けます。