――「履歴書」よりも「発信力」。キャリアの新しい扉は、SNSから開くかもしれない。

目次
1. 「SNSで転職しました」!?思わず耳を疑ったAさんの成功談
「Twitter(現X)経由で転職が決まりました」
そう話したのは、25歳のAさん(Web系企業で広報を担当)でした。
最初は趣味で始めたSNSアカウント。日常の仕事や気づきを発信していたら、ある日突然、企業の採用担当者から「うちに興味ありませんか?」とDMが届いたと言います。
「えっ、これってスカウト?怪しくない?」と戸惑いながらも、やりとりを重ねた結果、数か月後には転職が決定。
履歴書を送る前に、“人柄”と“考え方”が伝わっていた。まさに、SNSならではの転職の形でした。
2. SNS転職って、どんな風に広がってるの?
私がキャリア相談を受けている中でも、20代~30代前半の方から「SNSで転職決まりました」という声が少しずつ増えてきています。
特に活用されているのは:
- X(旧Twitter):職種別のハッシュタグ(#広報転職、#エンジニア転職 など)での発信が活発
- Instagram:ポートフォリオ代わりに活用されるクリエイティブ職の若手多数
- LinkedIn:外資系やグローバル企業を志望する層に支持されている
企業側も「履歴書では見えない部分=考え方・価値観・センス」をSNSから読み取り、「この人と働いてみたい」と思う傾向が強まっているのです。
3. SNSで“選ばれる”ために必要な3つのこと
じゃあどうすればSNSで転職につながるの?
Aさんが実際にやっていたのは、以下のようなシンプルなことでした。
- 仕事に関する“気づき”を言語化して発信
→「今日の会議での学び」「新人研修で驚いたこと」など、等身大の目線が共感を生む - プロフィールをきちんと整える
→名前や職種、働き方のスタンスなど、見た人が“この人は何してる人?”とすぐに分かる状態に - 一貫性を持って発信を続ける
→突然バズる必要はなし。コツコツ発信を重ねた“蓄積”が信頼になる
実際、Aさんはバズ投稿もフォロワー1万人もありません。でも「この人の仕事への向き合い方、素敵だな」と感じた企業が声をかけてくれたんです。
4. SNS転職のメリットと注意点|自由だけど“見られている”
SNS転職の魅力は、自分の価値観を伝えやすいことです。
面接では緊張して伝えきれない人でも、文章や画像を通して自分を表現できるのは大きな強み。
ただし、SNSは「発信=公開情報」。その分、注意すべきポイントもあります。
- 会社の内部情報や誹謗中傷はNG(転職先にチェックされていることも多い)
- プライベートと混在しすぎると、印象がぶれる
- 「副業アカウント」「趣味垢」など、目的を分けて使うのも手
Aさんも「DMで声がかかった時、正直“怪しくない?”と感じた」と言っていましたが、相手の企業アカウントを調べて、しっかり裏付けを取ったうえでやりとりを進めていたとのこと。情報リテラシーは必須です。
5. 「SNSで転職」は特別なことじゃない|これからの時代の当たり前に?
昔は、履歴書・職務経歴書が転職の“名刺”でした。
でも今は、それに加えて、SNSが“人柄や考え方”の名刺になる時代になりつつあります。
特に若手層にとっては、転職市場において「何ができるか」だけでなく、「どんな人なのか」を自然に伝える手段として、SNSが強力なツールになるのです。
そして企業側も、求人票だけでは出会えない人材をSNSで探す流れが加速しています。

最後に|発信することで、キャリアの景色が変わる
SNSでの転職は、“うまくやれば一発逆転”ではありません。
でも、“自分らしく働ける場所に出会うための、ひとつの手段”として、確実に選択肢の一つになっています。
Aさんのように、「普段の自分を、少しだけ外に出す」ことで、新しい扉が開くかもしれません。
あなたも、今日から小さな発信を始めてみませんか?
その言葉に、未来の転職先がそっと反応しているかもしれません。